こんにちは。NPO法人不動産トラブル解決センター 相談員の田中です。
確定申告の時期になると、当センターには「確定申告のやり方がわからない」「経費にできるものを見落としていた」「申告を忘れていた」といった相談が急増します。
不動産投資の確定申告は、正しく行えば節税メリットを最大化できますが、間違えると数万円〜数十万円の損失やペナルティにつながります。しかも、経費の計上漏れがあっても税務署は教えてくれません。
この記事では、不動産投資の確定申告で「よくある失敗」と「損をしないための具体的な対策」をNPO法人の立場から解説します。
※本記事は税務の一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務相談は税理士にご確認ください。
この記事でわかること
- 不動産投資の確定申告で特に多い5つの失敗パターン
- 見落としやすい経費一覧と計上のコツ
- 赤字でも確定申告すべき理由(損益通算のメリット)
- 青色申告と白色申告の違いと選び方
- 2026年の確定申告で注意すべき変更点
- 確定申告を楽にするための日頃の管理方法
不動産投資に確定申告は必要か?
結論から言うと、不動産投資で家賃収入がある人は、原則として確定申告が必要です。
会社員(サラリーマン大家)の場合、給与所得以外の所得が年間20万円以下であれば所得税の確定申告は不要とされています。ただし、不動産所得が赤字の場合は、確定申告をすることで「損益通算」による節税効果が得られるため、赤字でも申告した方が有利です。
不動産所得の計算式はシンプルです。
不動産所得 = 総収入金額(家賃・礼金・更新料など) − 必要経費
この「必要経費」をいかに漏れなく計上するかが、確定申告の成否を分けるポイントになります。
不動産投資の確定申告でよくある5つの失敗
失敗①:経費にできるものを計上し忘れている
これが最も多い、かつ最も「もったいない」失敗です。
不動産投資で経費にできるにもかかわらず、多くのオーナーが見落としがちな項目があります。経費の計上漏れがあっても、税務署は「もっと経費がありますよ」とは教えてくれません。本来払わなくてよかった税金をそのまま納めることになります。
見落としやすい経費の例:
- 物件を見に行くための交通費(電車・バス・タクシー・ガソリン代・駐車場代)
- 不動産投資の勉強のための書籍代・セミナー参加費
- 不動産会社や税理士との打ち合わせ時の飲食代(交際費)
- 物件の火災保険料・地震保険料
- ローンの利息部分(元本部分は経費にならないので注意)
- 減価償却費(建物部分のみ。土地は減価償却できない)
- 入居者募集のための広告宣伝費
- 不動産投資用の通信費(スマホの一部、インターネット回線の一部)
- 司法書士・税理士への報酬
- 物件購入時の不動産取得税・登録免許税・印紙税(初年度のみ)
特に初年度は、不動産取得税や登録免許税など購入時にかかった税金も経費計上できるため、2年目以降よりも高い節税効果が期待できます。
失敗②:減価償却の計算を間違える
減価償却は不動産投資の確定申告で最も金額が大きくなる経費項目ですが、計算が複雑で間違いやすいポイントでもあります。
よくある間違い:
- 土地と建物を分けずに、物件価格の全額を減価償却してしまう(土地は減価償却不可)
- 耐用年数の設定を間違える(建物の構造・築年数で異なる)
- 購入初年度の月割計算を忘れる(年の途中で取得した場合は月割が必要)
減価償却の計算式は以下の通りです。
減価償却費 = 建物の取得価額 × 償却率 × 取得月から年末までの月数 ÷ 12
建物の取得価額を算出するためには、売買契約書で土地と建物の内訳を確認するか、固定資産税評価額の比率で按分する必要があります。この部分を間違えると、以後毎年の申告にも影響が及ぶため、初年度は特に慎重に計算するか、税理士に確認することをお勧めします。
失敗③:赤字なのに確定申告をしない
「赤字だから確定申告しなくていい」と思っている方が非常に多いのですが、これは大きな損失です。
不動産所得が赤字の場合、給与所得と損益通算ができます。つまり、不動産投資の赤字分を給与所得から差し引くことで、所得税・住民税の還付を受けられるのです。
具体例:
- 給与所得:500万円
- 不動産所得:−50万円(赤字)
- 損益通算後の課税所得:450万円
- → 所得税率20%の場合、約10万円の還付が受けられる可能性がある
赤字で「やめたい」と感じている方でも、確定申告をすることで少しでもキャッシュフローを改善できます。
ただし注意点として、損益通算の対象にならない赤字もあります。土地取得のためのローン利息部分は損益通算の対象外です。この点も間違いやすいので注意してください。
失敗④:青色申告のメリットを活かしていない
不動産投資の確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類がありますが、青色申告の方が圧倒的に有利です。
青色申告の主なメリット:
- 青色申告特別控除:最大65万円の所得控除(e-Tax+複式簿記の場合)
- 純損失の繰越控除:赤字を翌年以降3年間繰り越せる
- 青色専従者給与:家族への給与を経費にできる(条件あり)
特に65万円の控除は大きく、所得税率20%の方であれば年間約13万円の節税効果があります。
青色申告を行うには、事前に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。提出期限は、青色申告をしたい年の3月15日まで(新規開業の場合は開業日から2ヶ月以内)です。まだ提出していない方は、来年分に向けて早めに手続きしてください。
失敗⑤:書類の紛失・管理不備
確定申告で必要な書類を紛失してしまい、経費の証明ができないケースです。
確定申告に必要な主な書類:
- 不動産売買契約書(物件購入時の書類)
- 賃貸借契約書
- 家賃の送金明細書(管理会社から毎月届くもの)
- ローン返済表(金融機関から届く年間返済明細)
- 固定資産税の納税通知書
- 火災保険・地震保険の証書
- 修繕費・リフォーム費の領収書
- 管理費・修繕積立金の明細
- 経費に関する領収書・レシート(交通費、書籍代、交際費など)
これらの書類は、確定申告後も7年間の保管義務があります(青色申告の場合)。日頃から月ごとにファイリングしておくことで、確定申告の時期に慌てずに済みます。
2026年の確定申告で注意すべき変更点
2026年に行う確定申告(2025年分所得)では、いくつかの重要な制度変更があります。
基礎控除額の引き上げ
これまで一律48万円だった基礎控除額が、所得に応じて段階的に引き上げられました。合計所得金額が132万円以下の場合は95万円、655万円超〜2,350万円以下では58万円の基礎控除が適用されます。
不動産投資をしているサラリーマンの多くは「655万円超〜2,350万円以下」の層に該当すると考えられるため、基礎控除が48万円→58万円に増加し、10万円分の課税所得が減少します。
マイナポータル連携の拡大
マイナンバーカードを活用した「マイナポータル連携」により、源泉徴収票や保険料控除証明書などのデータが自動で申告書に反映されるようになっています。手入力の手間が大幅に削減されるため、まだマイナンバーカードを持っていない方は取得を検討してください。
損益通算を活用する際の注意
基礎控除の引き上げにより課税所得が圧縮されるため、不動産所得の赤字を損益通算した際の還付金額が、前年と比べて若干変わる可能性があります。事前に最新の税率で資金シミュレーションを行っておくことをお勧めします。
確定申告を楽にするための3つの習慣
習慣①:毎月の収支を記録する
確定申告の時期にまとめて1年分の帳簿をつけるのは非常に大変です。毎月15分でよいので、家賃収入と経費を記録する習慣をつけてください。会計ソフト(freee、マネーフォワードなど)を使えば、入力と帳簿作成が自動化されます。
習慣②:領収書は月ごとにファイリング
交通費、書籍代、交際費などの領収書は、その月のうちにまとめてファイリングしてください。封筒に「○月分」と書いてまとめるだけでも構いません。年末になって領収書を探し回る手間がなくなります。
習慣③:年末に翌年の申告準備を始める
年末の段階で、その年の不動産所得の着地(黒字か赤字か)を概算で把握しておくと、追加で経費計上できるものがないか検討できます。節税対策は年を越してからでは手遅れです。
「節税になるから大丈夫」の落とし穴
不動産投資の営業マンから「赤字でも確定申告すれば税金が戻るので、毎月の持ち出しは実質ゼロです」と説明を受けた方もいるかもしれません。
確かに損益通算による還付はありますが、還付される金額は赤字額の全額ではありません。所得税率20%の方であれば、赤字50万円に対して還付されるのは約10万円。つまり、40万円のキャッシュは確実に失われています。
「節税効果」を過大に見積もったシミュレーションを鵜呑みにして投資を続けると、実際のキャッシュフローは悪化し続けます。節税は投資判断の「おまけ」であり、キャッシュフローがプラスであることが投資の大前提です。
▶ 不動産投資の失敗パターンについて詳しくはこちら:不動産投資の失敗|トラブル・詐欺の実態と対処法【2026年完全ガイド】
よくある質問(FAQ)
Q. 確定申告の期限を過ぎてしまいました。どうすればいいですか?
期限後でも申告は可能です。ただし、無申告加算税(原則15〜20%)や延滞税がかかる場合があります。気づいた時点で早急に申告してください。税務署から指摘される前に自主的に申告すれば、ペナルティが軽減されるケースもあります。
Q. 税理士に確定申告を依頼するといくらかかりますか?
不動産投資の確定申告を税理士に依頼する場合、物件数や申告内容にもよりますが、一般的に5万円〜15万円程度が目安です。青色申告の帳簿作成まで含めると、月額1万円〜3万円の顧問料が発生するケースもあります。費用と手間のバランスで判断してください。
Q. 白色申告から青色申告に変更したいのですが、いつまでに手続きが必要ですか?
青色申告をしたい年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。今年の確定申告が白色申告の方は、来年分から青色申告に切り替えるために、来年3月15日までに申請してください。
Q. 確定申告は自分でもできますか?
会計ソフトを使えば、初心者でも自分で確定申告を行うことは可能です。ただし、減価償却の計算や損益通算の判断など、不動産特有の処理は間違いやすいため、初年度は税理士に相談することをお勧めします。2年目以降は前年の申告書をベースにできるので、自力でも対応しやすくなります。
まとめ|確定申告の失敗は「知らなかった」が原因
不動産投資の確定申告で損をしている人のほとんどは、「間違った」のではなく「知らなかった」ことが原因です。
経費にできるものを知らなかった。青色申告のメリットを知らなかった。赤字でも申告すべきことを知らなかった。
正しい知識を持つだけで、年間数万円〜数十万円の差が生まれます。
不動産投資の収支に不安がある方、確定申告のやり方がわからない方は、まずは専門家にご相談ください。当センターでは税務の個別相談はお受けしていませんが、不動産投資全般のトラブルについて中立的な立場からアドバイスいたします。
NPO法人不動産トラブル解決センター
- TEL:03-6823-4781(受付時間 10:00〜19:00 年中無休)
- LINE相談:こちらから(24時間365日受付)
- メール相談:お問い合わせフォーム
- 公式サイト:https://npo-fudousan.org/
▶ 不動産投資のトラブル全般はこちら:不動産投資の失敗|トラブル・詐欺の実態と対処法【2026年完全ガイド】
▶ 「やめたい」と思ったらこちら:不動産投資をやめたい人が今すぐ取るべき5つの行動
この記事は税務に関する一般的な情報提供を目的としており、個別の税務アドバイスではありません。具体的な申告内容については、税理士にご相談ください。
この記事の内容は2026年3月時点の情報に基づいています。税制は毎年変更される可能性があるため、最新情報は国税庁の公式サイトでご確認ください。
NPO法人不動産トラブル解決センターは内閣府認定の特定非営利活動法人です(認可番号:2010005024231)。
NPO法人不動産トラブル解決センター 相談員 田中
こんにちは。NPO法人不動産トラブル解決センター 相談員の田中です。
確定申告の時期になると、当センターには「確定申告のやり方がわからない」「経費にできるものを見落としていた」「申告を忘れていた」といった相談が急増します。
不動産投資の確定申告は、正しく行えば節税メリットを最大化できますが、間違えると数万円〜数十万円の損失やペナルティにつながります。しかも、経費の計上漏れがあっても税務署は教えてくれません。
この記事では、不動産投資の確定申告で「よくある失敗」と「損をしないための具体的な対策」をNPO法人の立場から解説します。
※本記事は税務の一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務相談は税理士にご確認ください。
この記事でわかること
- 不動産投資の確定申告で特に多い5つの失敗パターン
- 見落としやすい経費一覧と計上のコツ
- 赤字でも確定申告すべき理由(損益通算のメリット)
- 青色申告と白色申告の違いと選び方
- 2026年の確定申告で注意すべき変更点
- 確定申告を楽にするための日頃の管理方法
不動産投資に確定申告は必要か?
結論から言うと、不動産投資で家賃収入がある人は、原則として確定申告が必要です。
会社員(サラリーマン大家)の場合、給与所得以外の所得が年間20万円以下であれば所得税の確定申告は不要とされています。ただし、不動産所得が赤字の場合は、確定申告をすることで「損益通算」による節税効果が得られるため、赤字でも申告した方が有利です。
不動産所得の計算式はシンプルです。
不動産所得 = 総収入金額(家賃・礼金・更新料など) − 必要経費
この「必要経費」をいかに漏れなく計上するかが、確定申告の成否を分けるポイントになります。
不動産投資の確定申告でよくある5つの失敗
失敗①:経費にできるものを計上し忘れている
これが最も多い、かつ最も「もったいない」失敗です。
不動産投資で経費にできるにもかかわらず、多くのオーナーが見落としがちな項目があります。経費の計上漏れがあっても、税務署は「もっと経費がありますよ」とは教えてくれません。本来払わなくてよかった税金をそのまま納めることになります。
見落としやすい経費の例:
- 物件を見に行くための交通費(電車・バス・タクシー・ガソリン代・駐車場代)
- 不動産投資の勉強のための書籍代・セミナー参加費
- 不動産会社や税理士との打ち合わせ時の飲食代(交際費)
- 物件の火災保険料・地震保険料
- ローンの利息部分(元本部分は経費にならないので注意)
- 減価償却費(建物部分のみ。土地は減価償却できない)
- 入居者募集のための広告宣伝費
- 不動産投資用の通信費(スマホの一部、インターネット回線の一部)
- 司法書士・税理士への報酬
- 物件購入時の不動産取得税・登録免許税・印紙税(初年度のみ)
特に初年度は、不動産取得税や登録免許税など購入時にかかった税金も経費計上できるため、2年目以降よりも高い節税効果が期待できます。
失敗②:減価償却の計算を間違える
減価償却は不動産投資の確定申告で最も金額が大きくなる経費項目ですが、計算が複雑で間違いやすいポイントでもあります。
よくある間違い:
- 土地と建物を分けずに、物件価格の全額を減価償却してしまう(土地は減価償却不可)
- 耐用年数の設定を間違える(建物の構造・築年数で異なる)
- 購入初年度の月割計算を忘れる(年の途中で取得した場合は月割が必要)
減価償却の計算式は以下の通りです。
減価償却費 = 建物の取得価額 × 償却率 × 取得月から年末までの月数 ÷ 12
建物の取得価額を算出するためには、売買契約書で土地と建物の内訳を確認するか、固定資産税評価額の比率で按分する必要があります。この部分を間違えると、以後毎年の申告にも影響が及ぶため、初年度は特に慎重に計算するか、税理士に確認することをお勧めします。
失敗③:赤字なのに確定申告をしない
「赤字だから確定申告しなくていい」と思っている方が非常に多いのですが、これは大きな損失です。
不動産所得が赤字の場合、給与所得と損益通算ができます。つまり、不動産投資の赤字分を給与所得から差し引くことで、所得税・住民税の還付を受けられるのです。
具体例:
- 給与所得:500万円
- 不動産所得:−50万円(赤字)
- 損益通算後の課税所得:450万円
- → 所得税率20%の場合、約10万円の還付が受けられる可能性がある
赤字で「やめたい」と感じている方でも、確定申告をすることで少しでもキャッシュフローを改善できます。
ただし注意点として、損益通算の対象にならない赤字もあります。土地取得のためのローン利息部分は損益通算の対象外です。この点も間違いやすいので注意してください。
失敗④:青色申告のメリットを活かしていない
不動産投資の確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類がありますが、青色申告の方が圧倒的に有利です。
青色申告の主なメリット:
- 青色申告特別控除:最大65万円の所得控除(e-Tax+複式簿記の場合)
- 純損失の繰越控除:赤字を翌年以降3年間繰り越せる
- 青色専従者給与:家族への給与を経費にできる(条件あり)
特に65万円の控除は大きく、所得税率20%の方であれば年間約13万円の節税効果があります。
青色申告を行うには、事前に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。提出期限は、青色申告をしたい年の3月15日まで(新規開業の場合は開業日から2ヶ月以内)です。まだ提出していない方は、来年分に向けて早めに手続きしてください。
失敗⑤:書類の紛失・管理不備
確定申告で必要な書類を紛失してしまい、経費の証明ができないケースです。
確定申告に必要な主な書類:
- 不動産売買契約書(物件購入時の書類)
- 賃貸借契約書
- 家賃の送金明細書(管理会社から毎月届くもの)
- ローン返済表(金融機関から届く年間返済明細)
- 固定資産税の納税通知書
- 火災保険・地震保険の証書
- 修繕費・リフォーム費の領収書
- 管理費・修繕積立金の明細
- 経費に関する領収書・レシート(交通費、書籍代、交際費など)
これらの書類は、確定申告後も7年間の保管義務があります(青色申告の場合)。日頃から月ごとにファイリングしておくことで、確定申告の時期に慌てずに済みます。
2026年の確定申告で注意すべき変更点
2026年に行う確定申告(2025年分所得)では、いくつかの重要な制度変更があります。
基礎控除額の引き上げ
これまで一律48万円だった基礎控除額が、所得に応じて段階的に引き上げられました。合計所得金額が132万円以下の場合は95万円、655万円超〜2,350万円以下では58万円の基礎控除が適用されます。
不動産投資をしているサラリーマンの多くは「655万円超〜2,350万円以下」の層に該当すると考えられるため、基礎控除が48万円→58万円に増加し、10万円分の課税所得が減少します。
マイナポータル連携の拡大
マイナンバーカードを活用した「マイナポータル連携」により、源泉徴収票や保険料控除証明書などのデータが自動で申告書に反映されるようになっています。手入力の手間が大幅に削減されるため、まだマイナンバーカードを持っていない方は取得を検討してください。
損益通算を活用する際の注意
基礎控除の引き上げにより課税所得が圧縮されるため、不動産所得の赤字を損益通算した際の還付金額が、前年と比べて若干変わる可能性があります。事前に最新の税率で資金シミュレーションを行っておくことをお勧めします。
確定申告を楽にするための3つの習慣
習慣①:毎月の収支を記録する
確定申告の時期にまとめて1年分の帳簿をつけるのは非常に大変です。毎月15分でよいので、家賃収入と経費を記録する習慣をつけてください。会計ソフト(freee、マネーフォワードなど)を使えば、入力と帳簿作成が自動化されます。
習慣②:領収書は月ごとにファイリング
交通費、書籍代、交際費などの領収書は、その月のうちにまとめてファイリングしてください。封筒に「○月分」と書いてまとめるだけでも構いません。年末になって領収書を探し回る手間がなくなります。
習慣③:年末に翌年の申告準備を始める
年末の段階で、その年の不動産所得の着地(黒字か赤字か)を概算で把握しておくと、追加で経費計上できるものがないか検討できます。節税対策は年を越してからでは手遅れです。
「節税になるから大丈夫」の落とし穴
不動産投資の営業マンから「赤字でも確定申告すれば税金が戻るので、毎月の持ち出しは実質ゼロです」と説明を受けた方もいるかもしれません。
確かに損益通算による還付はありますが、還付される金額は赤字額の全額ではありません。所得税率20%の方であれば、赤字50万円に対して還付されるのは約10万円。つまり、40万円のキャッシュは確実に失われています。
「節税効果」を過大に見積もったシミュレーションを鵜呑みにして投資を続けると、実際のキャッシュフローは悪化し続けます。節税は投資判断の「おまけ」であり、キャッシュフローがプラスであることが投資の大前提です。
▶ 不動産投資の失敗パターンについて詳しくはこちら:不動産投資の失敗|トラブル・詐欺の実態と対処法【2026年完全ガイド】
よくある質問(FAQ)
Q. 確定申告の期限を過ぎてしまいました。どうすればいいですか?
期限後でも申告は可能です。ただし、無申告加算税(原則15〜20%)や延滞税がかかる場合があります。気づいた時点で早急に申告してください。税務署から指摘される前に自主的に申告すれば、ペナルティが軽減されるケースもあります。
Q. 税理士に確定申告を依頼するといくらかかりますか?
不動産投資の確定申告を税理士に依頼する場合、物件数や申告内容にもよりますが、一般的に5万円〜15万円程度が目安です。青色申告の帳簿作成まで含めると、月額1万円〜3万円の顧問料が発生するケースもあります。費用と手間のバランスで判断してください。
Q. 白色申告から青色申告に変更したいのですが、いつまでに手続きが必要ですか?
青色申告をしたい年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。今年の確定申告が白色申告の方は、来年分から青色申告に切り替えるために、来年3月15日までに申請してください。
Q. 確定申告は自分でもできますか?
会計ソフトを使えば、初心者でも自分で確定申告を行うことは可能です。ただし、減価償却の計算や損益通算の判断など、不動産特有の処理は間違いやすいため、初年度は税理士に相談することをお勧めします。2年目以降は前年の申告書をベースにできるので、自力でも対応しやすくなります。
まとめ|確定申告の失敗は「知らなかった」が原因
不動産投資の確定申告で損をしている人のほとんどは、「間違った」のではなく「知らなかった」ことが原因です。
経費にできるものを知らなかった。青色申告のメリットを知らなかった。赤字でも申告すべきことを知らなかった。
正しい知識を持つだけで、年間数万円〜数十万円の差が生まれます。
不動産投資の収支に不安がある方、確定申告のやり方がわからない方は、まずは専門家にご相談ください。当センターでは税務の個別相談はお受けしていませんが、不動産投資全般のトラブルについて中立的な立場からアドバイスいたします。
NPO法人不動産トラブル解決センター
- TEL:03-6823-4781(受付時間 10:00〜19:00 年中無休)
- LINE相談:こちらから(24時間365日受付)
- メール相談:お問い合わせフォーム
- 公式サイト:https://npo-fudousan.org/
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この記事は税務に関する一般的な情報提供を目的としており、個別の税務アドバイスではありません。具体的な申告内容については、税理士にご相談ください。
この記事の内容は2026年3月時点の情報に基づいています。税制は毎年変更される可能性があるため、最新情報は国税庁の公式サイトでご確認ください。
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