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NPO法人不動産トラブル解決センター 相談員 田中です。

「マンション投資に興味はありませんか?」「節税対策としてご案内しているのですが…」

突然かかってくる不動産投資の営業電話に、困った経験はありませんか?

当センターには、「断っているのに何度もかかってくる」「職場にまで電話がくる」「断り切れずに面談の約束をしてしまった」という相談が多数寄せられています。特に新年度の4月以降は、新社会人をターゲットにした営業電話が急増する時期です。

実は、しつこい営業電話の多くは法律違反です。正しい知識を持っていれば、毅然と断ることができます。

この記事では、マンション投資の営業電話を確実に止めるための正しい断り方3選と、それでも止まらない場合の法的対処法を解説します。

この記事でわかること

なぜマンション投資の営業電話がかかってくるのか

そもそも、なぜ見知らぬ不動産会社からあなたの電話に営業がかかってくるのか。それは、名簿業者から個人情報が流通しているからです。

大学の同窓会名簿、資格試験の受験者名簿、転職サイトの登録情報、アンケート回答など、さまざまなルートで収集された個人情報が「名簿」として売買されています。特に「年収が高い」「上場企業勤務」「資格保有者」などの属性に当てはまる人は、不動産投資のターゲットとしてリストに載りやすくなります。

不動産会社にとって電話営業はコストが低く効率の良い営業手法のため、今後もなくなることはないでしょう。だからこそ、正しい断り方を知っておくことが大切です。

営業電話を確実に止める正しい断り方3選

断り方①:「購入する意思は一切ありません。今後の電話は不要です」とはっきり伝える

最も基本的かつ効果的な断り方です。ポイントは「曖昧にしない」こと。

使えるセリフ例:

なぜこれが効くかというと、一度断った相手に対して再度勧誘することは、宅地建物取引業法で明確に禁止されているからです。はっきりと「断った」という事実を作ることが、法的にも重要な意味を持ちます。

断る際は、相手の会社名・担当者名・電話番号を必ず控えておいてください。後日また電話がかかってきた場合に、通報する際の証拠になります。

断り方②:「その勧誘は法律違反です」と伝える

しつこい勧誘に対しては、法律違反であることを指摘するのが非常に効果的です。不動産会社は宅建業法違反が発覚すると、業務停止や免許取消の行政処分を受ける可能性があるため、「法律」という言葉に敏感です。

使えるセリフ例:

ここまで具体的に伝えれば、ほとんどの業者は電話を止めます。

断り方③:「免許行政庁に通報します」と伝える

それでも止まらない場合の最終手段です。不動産会社は国土交通大臣または都道府県知事から宅建業の免許を受けて営業しています。違法な勧誘行為は免許行政庁に通報することで、業者への指導や処分につながります。

使えるセリフ例:

実際に通報する場合の手順は、この記事の後半で解説します。

絶対にやってはいけないNGな断り方

以下の断り方は逆効果になるため、避けてください。

NG①:「今は忙しい」「今は考えていない」

これは営業マンにとって「タイミングが合えば話を聞いてくれる」という意味に解釈されます。「では改めてお電話します」と言われ、何度も電話がかかってくる原因になります。

NG②:「ちょっと検討します」

少しでも検討の余地を見せると、「脈あり」と判断されてリストの最上位に登録されます。断るときは検討の余地を一切見せないことが鉄則です。

NG③:何も言わずに電話を切る

無言で切ると「電話に出たが会話が成立しなかった」と記録され、「かけ直し対象」になることがあります。必ず「購入意思がない」「今後電話は不要」と明言してから切ってください。

NG④:個人情報を教えてしまう

年収、勤務先、家族構成、住所などを聞かれても、絶対に答えないでください。これらの情報は営業のデータベースに登録され、より効果的な営業トークに利用されます。さらに、他の名簿業者に転売される可能性もあります。

NG⑤:「一度会って話を聞くだけなら…」と約束する

実際に会うと断りにくい雰囲気を作られます。複数の営業マンに囲まれて契約を迫られるケースもあります。「会わないと失礼」と言われても、会う義務はありません。

法律で禁止されている勧誘行為5つ

マンション投資の勧誘自体は違法ではありませんが、以下の行為は宅地建物取引業法で明確に禁止されています。

禁止行為①:会社名・担当者名・勧誘目的を告げずに勧誘すること

「節税のご案内ですが…」と曖昧な切り出しで、不動産投資の勧誘だと明かさない手法。宅建業法施行規則第16条の12第1号ハに違反します。

禁止行為②:一度断った相手に再度勧誘すること(再勧誘の禁止)

「いりません」と断った相手に対して、再度電話をかけて勧誘する行為。同規則第16条の12第1号ニに違反します。

禁止行為③:契約をしない旨の意思表示をした相手に勧誘を継続すること

断っているのに電話を切らせない、長時間引き止める行為。同規則第16条の12第1号ホに違反します。

禁止行為④:相手を威迫する行為

「せっかく時間を割いたのに断るのは非常識だ」「社会人として失礼だ」といった心理的圧力をかける行為。宅建業法第47条の2に違反します。

禁止行為⑤:不確実な事項について断定的判断を提供すること

「絶対に値上がりする」「必ず儲かる」「元本保証みたいなもの」といった断定。宅建業法第47条の2に違反します。

上記のいずれかに該当する勧誘を受けた場合、あなたは被害者です。迷わず通報してください。

断っても止まらない場合の通報先と手順

正しく断ったにもかかわらず、再度営業電話がかかってきた場合は、以下の機関に通報してください。

ステップ1:証拠を記録する

電話がかかってきた日時、相手の会社名・担当者名・電話番号、会話の内容をメモしてください。可能であればスマホの通話録音アプリで録音しておくと、通報時の証拠になります。

ステップ2:免許行政庁に通報する

不動産会社の宅建業免許が「国土交通大臣免許」であれば各地方整備局へ、「都道府県知事免許」であれば該当する都道府県の不動産業課へ通報します。

東京都の場合:東京都住宅政策本部 不動産業課
TEL:03-5320-5071(都庁開庁日 9:00〜17:30)

ステップ3:消費者ホットラインに相談する

TEL:188(局番なし)に電話すれば、お住まいの地域の消費生活センターにつながります。

ステップ4:宅地建物取引業保証協会に苦情を申し出る

ほとんどの不動産会社は「全国宅地建物取引業保証協会」か「不動産保証協会」に加入しています。協会に苦情を申し出ることで、業者への指導が行われます。

ステップ5:警察に相談する(悪質な場合)

威迫的な言動や脅迫まがいの行為があった場合は、警察相談専用電話#9110に相談してください。

すでに断り切れず契約してしまった場合

営業電話をきっかけに面談に応じ、その場の雰囲気で契約書にサインしてしまった——そんな場合でも、対処法はあります。

クーリングオフ(8日間以内)

宅建業者が売主で、不動産会社の事務所以外の場所(喫茶店、あなたの自宅・勤務先など)で契約した場合、書面で告知された日から8日間以内であればクーリングオフが可能です。クーリングオフは書面(内容証明郵便が望ましい)で通知してください。

ただし、不動産会社の事務所で契約した場合やクーリングオフの説明を受けてから8日を超えた場合は、原則としてクーリングオフは適用されません。

消費者契約法に基づく取り消し

勧誘の過程で「重要事項の不告知」「不実の告知」「断定的判断の提供」などがあった場合、消費者契約法に基づいて契約を取り消せる可能性があります。取り消しの権利は、追認できる時から1年間、契約から5年間行使可能です。

いずれの場合も、まずは弁護士に相談することをお勧めします。

▶ 相談先の詳しい情報はこちら:不動産投資トラブルの相談先一覧|無料で使える6つの窓口

よくある質問(FAQ)

Q. 知らない番号からの電話は出ない方がいいですか?

出なくても問題ありません。留守番電話に設定しておけば、本当に必要な電話であれば相手がメッセージを残してくれます。知らない番号は出る前にインターネットで検索すると、不動産投資の営業電話かどうかわかることが多いです。

Q. 一度話を聞いたら、しつこくなりますか?

その可能性は高いです。一度電話に出て会話が成立すると「見込み客」としてデータベースに登録され、その後の電話頻度が上がるのが一般的です。興味がなければ、最初の段階で明確に断ることが最善です。

Q. 個人情報を教えてしまいました。削除してもらえますか?

個人情報保護法に基づき、本人からの利用停止・消去の請求には応じる義務があります。書面で「個人情報の利用停止および消去」を請求してください。ただし、すでに他の業者に転売されている場合は完全な削除が困難なケースもあります。

Q. 営業電話の相手が会社名を教えてくれません。どうすればいいですか?

会社名を告げずに勧誘すること自体が宅建業法違反です。「会社名と免許番号を教えてください。教えていただけない場合は、この電話自体が法律違反ですので通報します」と伝えてください。

まとめ|営業電話は「知識」で撃退できる

マンション投資の営業電話は、正しい知識を持っていれば確実に止められます。

大切なのは「はっきり断る」「法律違反を指摘する」「証拠を残す」の3つです。中途半端な対応が一番良くありません。

もし営業電話をきっかけに契約してしまい、後悔している方がいれば、まずは専門家に相談してください。クーリングオフや契約取り消しの可能性があります。


NPO法人不動産トラブル解決センター


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この記事の内容は2026年3月時点の情報に基づいています。法律や制度は変更される可能性があるため、最新情報は各公的機関の公式サイトでご確認ください。

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